教育課題分析(共通IR分析)

共同IR分析

(pdf版をダウンロード  )

教育課題を分析するために共同IR分析を行なった。

1.共同IR調査の目的

埼玉東上地域大学教育プラットフォーム(TJUP)では,地元で生まれ育った人が,義元で学び地元で活躍できる地域づくりに貢献することを目的に活動を行っている。地域人口分布から,高校卒業後に埼玉県を離れる若者が多いことが分析結果として得られたが,実際の大学においての現状はどのようになっているかを検証する必要がある。その結果を踏まえて,地域への人口定着に何が必要であるのかを検討する必要がある。そこで,まずアウトラインを把握するために簡単なIR調査をTJUP参加大学にお願いし,集計することとした。

2. 入学者特性

表1は,入学者の特性のうち,地元出身者の動向を知るために調査した出身高校の所在地および現役比率の結果である。そのうちの出身高校の所在地分布をわかりやすいように 図1に示してある。入学者のうち,埼玉と東京で50%を越えることがわかる。東武東上線,西武線は都心からのアクセスが良いために東京からの受験生確保ができていることがわかる。一方で,埼玉県の人口集中地域は,おおみや地区を中心とする南東部であり,埼玉県が東西の交通が不便であるにも関わらず埼玉全域からある程度入学者を確保していることが推測できる。

 一方で,東京へのアクセスの良さは受験生が都心へ通学可能であることでもある。つまり,埼玉-東京比は,出入りの均衡の上にあると考えられる。今後,受験志願者の人数と埼玉-東京比の相関を調査することで地元受験生確保の方向性がつかめるかもしれない。
 受験生の現役比は,全国的な傾向と同じであった。一般に魅力の向上に従って現役比率が減少するといわれている。地域としての大学を想定した場合,全国的な魅力を保持できていると考えられる。

3.就学期間特性

 表2は,学生生活の様子を調べた結果である。昨今,大学生の貧困が問題視されているが,これは自宅通学者の増加という現象で現れてくる。調査の結果は50.7%で,出身高校所在地の比率と同じ傾向と言える。これは,遠距離通学者も比較的多いことを示唆しているとも言える。クラブ等所属率は63.3%で,比較的クラブ活動を行っている様子が伺える

 規定卒業率とは,入学した学生のうち規定年限(大学は4年,短大は2年)で卒業した学生の割合である。20%程度は留年または退学等で規定年度のうちに卒業できていないことがわかる。今回の調査では退学・除籍率の調査は行わなかったが,教育の質の改善,学生生活の改善の指標となるので継続的に調査したい。

4.卒業後の特性

表3および図2は,卒業後の進路を調査した結果である。一般に文化系大学では大学院進学率が低い傾向にある。TJUPでは,4.9%の大学院進学率で,全国的に高い水準とは言えない。また,就職未定者を含む「その他」が10%以上いることもわかる。

大学の魅力創出と進学および就職の満足度は相関性があるものと言われており,さらなる調査検討が必要と思われる。

 一方で,就職したもののうち埼玉に就職したものは10%以下であった。TJUPの特定地域に限ればさらに数値が悪いことが予想される。入学時に34%程度いた埼玉出身者が,埼玉県を離れていることが伺える。

3. 地域大学に共通する課題分析(まとめ)

TJUP参加大学の傾向は概ね全国的な傾向と同じと考えられ,特別に地域性に問題は見出せないものの,地元学生の都心受験,または卒業者の地域離れが顕在化しつつあり,大学の魅力創出とともにTJUPとしての取り組みが期待されるところである。各WGで情報を共有化して施策を構築していく必要がある。